八端十字架

正教会で主に用いられる、特徴的な形状の十字架です。上部に小さな横棒がもう一本あるのが特徴です。

ロシア、ギリシャなど東ヨーロッパ諸国の教会でよく見られます。イエス・キリストの十字架の上に掲げられていた罪状書きの板を表しています。

正教会の十字架の上部の横棒は「INRI」（ユダヤ人の王、ナザレのイエス）と書かれた罪状書きの板を象徴し、斜めの棒はイエス・キリストと共に十字架につけられた二人の罪人を表します。この十字架は東方正教会の長い伝統と歴史を体現しています。

現代では宗教的な意味だけでなく、東ヨーロッパ文化を代表する文化的象徴としても認識されています。特にロシア、ギリシャ、セルビアなどの国では重要な文化遺産と見なされ、建築物や芸術作品にもよく登場します。